舞台は新潟。『いつも月夜に米の飯』プレミア上映&トークイベントレポート


『いつも月夜に米の飯』
2018年9月8日、シネマカリテほか全国順次ロードショー

 


2018年9月8日、シネマカリテほか全国順次ロードショー、加藤綾佳監督×山田愛奈主演映画『いつも月夜に米の飯』
2015年に森川葵の出世作でもある『おんなのこきらい』がスマッシュヒットを記録した加藤監督が、新潟出身の注目女優・山田とともに、地元・新潟県でオールロケを敢行させた”おいしそうでちょっぴ焦げついた、ごはんと家族と恋の物語”。

2018年7月28日、新宿シネマカリテで開催中の夏の祭典「カリテ・ファンタスティク!シネマコレクション 2018(カリコレ)」にて、プレミア上映&トークイベントにてお披露目となった本作。
台風直撃警報も出るほどの悪天候にもかかわらず、ほぼ満席のプレミア上映後に、主演・山田愛奈加藤綾佳監督が登壇。
公開に向けて、映画への思いを語りました。

主演には、モデルで活躍し、主演デビュー映画「最低。」が話題となり、初単独主演を果たした本作では、恋や仕事に奮闘する千代里を好演する山田愛奈
千代里と生活をともにする料理人・アサダに実力派俳優・和田聰宏、わだかまりを抱える母親・麗子役に高橋由美子、幼なじみ役に渡辺佑太朗
角替和枝小倉一郎MEGUMI森下能幸小倉優香、新潟出身のマッスル坂井などの個性派が脇を固めます。
主題歌は、その世界観で聴くものを魅了し続ける吉澤嘉代子。
調理師免許も持つ加藤監督が地元・新潟を舞台に愛しくて不器用で、甘くてしょっぱい、名産品満載で味わい豊かなごはん映画を誕生させています。

『いつも月夜に米の飯』プレミア上映&トークイベント レポート

―加藤監督、山田愛奈さんともども新潟出身ということで、立ち上げの経緯などお聞かせください。

加藤綾佳監督(以下、監督):山田さんが「新潟美少女図鑑」にでられていたり、いろんな経緯から映画を撮ろうという企画が立ち上がりました。
最初に山田さんを紹介されたときに、「どんな子ですか?」と性格のことを聞きたかったんですが、「おにぎりが好きな子」と言われて、意味がわからない!と思って(笑)
はじめて会った時は、山田さんがまだお芝居を一切やってない頃で、むしろお芝居なんてやりたくないと不機嫌な様子がとてもいいなと思い、キャラクター作りをはじめました。
新潟県はお米が有名で、ずっと食の映画を作りたいと思っていたので、作りはじめたのが最初です。

―山田さんにとっては、初の単独主演作ですが、千代里という役を演じていかがでしたか?

山田愛奈(以下、山田):まず、地元の新潟が舞台ということもあって、たくさんプレッシャーもあったんですが、監督やスタッフのみなさんが支えてくれたのでとても楽しく撮影にのぞめました。
と、同時に、いろんなことを学べて、とても充実してました。

監督:オール新潟ロケで2週間近く撮影したんですが、アットホームな現場でしたね。
撮休の日に、ロケ地の居酒屋さんでスタッフと打ち合わせをしていたら、山田さんと、(アサダ役の)和田聰宏さんがスーパーで材料を買ってきて、スタッフにごはんを作ってくれたりして。
それくらいアットホームで楽しい現場でした。

―ベテランの俳優陣に囲まれての主演は?

山田:ひとことでいうと、吸収することが多すぎて…。
毎日毎日、大物の方と共演するシーンがあったので、私自身もそれに負けないようにと言いますか、吸収できることは吸収して。
カメラが回ってない時でも、たくさんお話しして下さったので、打ち解けるのは早かったです。

監督:山田さん中心に演出をしてたのですが、見た目で説得力のあるベテラン勢が多く、土台を作っていただいていたので、安心して山田さんと千代里というキャラクターについて話しあうことができました。

―「あたたかいごはんと家族」というポスターイメージから裏切られるような展開の内容がさすが『おんなのこきらい』の加藤監督でした。

監督:ダマされたでしょ!(笑)
立っての希望で、「あったかいごはんの映画」と思わせといて…という宣伝にしたいと最初からお願いしました

山田:映画お話をいただいた時に「おいしいごはんの話」と聞いていたので、監督の「加藤節」がきいてる過去作から路線変えてきたな…と思いまして。
いざ、脚本をみたときに、「ちょっと待てよ…これ、おいしいごはんの話」かと?
もちろんそうなんですけど、それを前提で加藤節が効きに効きまくって、いい味出してると思いました。
母親役の高橋由美子さん相手に心臓バクバクのシーンがあったりで(笑)

―山田さんは挿入歌『おいしい声』(SOROR feat. 山田愛奈)も歌ってますね。

山田:やだー!やっちゃいました(笑)はじめてのことです。

―プレミア上映の最後に―

監督:自分の部屋で一文字一文字パソコンを打ってという、形のなかったものが、最終的に役を演じてもらって、カメラで撮影して映像になって、お客様にみていただいて、はじめて「映画」になれると思ってます。
観ていただいて、千代里はじめ”いつ米”の登場人物が、今日はじめて生まれることができました。
その姿を皆様の心の中に焼き付けていただけれたら、嬉しいなと思ってます。
なので、”いつ米”を生んで下さってありがとうございます、という側だと思います。

山田:この映画に出ている千代里ふくめ、いろんな登場人物の思いや、愛・不安など、いろんな気持ちが出ていたと思います。
みなさんも不安や悩みがたくさんあると思うのですが、この作品を見終わったあとに、その重みがちょっとでも軽くなってたらうれしいなと思います。
そして、同じように悩み事をしていたり、最近落ち込んでるなっていう人がいたら、この映画を勧めて、ぜひ何度でも劇場に足を運んでもらいたいなと思います。
ありがとうございました。

『いつも月夜に米の飯』プレミア上映&トークイベント
2018年7月28日(土)15:30 回 上映後
会場:新宿シネマカリテ
登壇者:山田愛奈、加藤綾佳監督

 


 

 

STORY
新潟で居酒屋を営む母の元を離れ、東京の高校に通う女子高生・千代里(山田愛奈)。
夏休み間近のある日、母親・麗子(高橋由美子)が突然失踪したという知らせを受ける。
女手一つで千代里を育てた麗子は、昔から男癖が悪く、自由奔放。
女将として働くこととなり、地元の個性豊かな客たちを相手にしながら、徐々に心を開き、仕事にも慣れていく千代里は、次第にアサダに心惹かれていく。
そんな幸せな日々の中、突然、母が帰ってくるー

 

 

CAST/STAFF/SPEC
【CAST】山田 愛奈 和田聰宏 高橋由美子 渡辺佑太朗
春花 MEGUMI 西山宏幸 森下能幸 マッスル坂井(友情出演)
飯田孝男 小倉優香 山川未菜 宮城大樹 山本直寛 山口岳彦 内田周作
小倉一郎/角替和枝

 

【STAFF】監督・脚本:加藤綾佳
撮影監督:与那覇政之 録音:國分玲 衣装 :こんかおり ヘアメイク:久乃
美術:畠山和久 フードスタイリスト:前田かおり スチール:内堀義之 音楽:百瀬巡
プロデューサー:和田紳助 企画:直井卓俊

 

主題歌;吉澤嘉代子「雪」(e-stretch RECORDS/日本クラウン)
挿入歌『おいしい声』SOROR feat.山田愛奈製作:「いつも月夜に米の飯」製作委員会
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
カラー 5.1ch 16:9 104分
(c)2018「いつも月夜に米の飯」製作委員会

 

『いつも月夜に米の飯』
2018年9月8日、シネマカリテほか全国順次ロードショー