『ローズの秘密の頁(ページ)』(2018年2月3日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開)の公開を直前に控えた1月29日に、女性の性について赤裸々に語ることに定評のある中村うさぎさんと倉田真由美さんに登壇によるイベントが開催されました。
「私たち、正直すぎるからモテない!」
「正義ズラして、あまり他者のそういう恋愛事情に首突っ込むのは『馬に蹴られて死んじゃえ』って思う!」
…など自分に正直に生きてきたお二人だからこそ語れるぶっちゃけトークに、満席の客席は終始笑いに包まれるイベントとなりました。
《イベント内容》
―作品の印象について一言―
中村うさぎ(以下、中村):主人公のローズは、社会的な背景のためですが、女性としてまっすぐに生きたことで、迫害されて精神病院に入った話ですよね。今だったら、私たち二人とも精神病院にぶち込まれますよね。正直すぎるから(笑)
倉田真由美(以下、倉田):今なら”恋多き女性として”皆のカリスマになりそうですけどね!
―劇中の男性たちについてはどう思われます?―
中村:男性を勘違いさせる女性って結構いますけど”俺のことが好きに違いないとか”ただ素直なだけなのに”ヤラしてくれるんじゃないかと”。そういう人って、女性からも非難されますよね。
倉田:モテテクの特集がよくありますね。
でもね、好きじゃない女性にモテても仕方ないよね!面倒なことになるだけ!
だってほら、ブスならローズみたいに精神病院に入れられてないじゃない(笑)
あと、ローズって誘われた男の人(神父)の車に乗っちゃうじゃないですか。彼女、躊躇するけど結局乗っちゃう。この選択の差でしょうね。
モテるかどうかっていうのは。隙がある感じ。
中村:そう、そして神父に「ちゃんと送ってくれる?」ということをあえて言っちゃうローズ。
私も言ってみようかな。そしたら、ラブホに直行かな?(笑)
中村:誘ってないのに「誘った」と言われていますよね、ローズ。
男が自分勝手にムラっとしているのに、女性のせいにしている。現代もよくありますね。
露出系の格好をしている女は誘っているから何をしてもいいなど。
―「許されない恋」というのが世間を賑わせてますが、どう思いますか?―
倉田:小室(哲哉)さん以降、少し不倫の流れは変わってきましたよね。でも、一貫して思うのは、本来恋愛というのは基本的に当事者二人と配偶者だけの問題なのに、周囲が正義ヅラしてなんだかんだ言う。って言うのがうざい。
中村:「私たちは正しくない恋愛は許しません、とか、こういう息苦しい社会は嫌だな」って思いますよね。
倉田:本来、恋愛って一番寛容であっていい場所。第三者は関係ないから。どんな話であれ。
水に落ちた犬を叩く快感というか、インターネット社会。すごく叩く快感ってあるんだよね、きっと。
中村:週刊誌だって、どうかと思う。文春だって、自分たちだって不倫してるじゃんとか。ライターと不倫してるじゃん、とか。
倉田:正義ヅラして、あまり他者のそういう恋愛事情に首突っ込むのは”馬に蹴られて死んじゃえ”って思う。
中村:正しさって、人を傷つけるんですよ。私たち色情狂だから(笑)
―魅力的な女性になるには、お二人はどうしたら良いと思いますか?―
倉田:ローズを見てても思うんですが、ちょっとしたことなんですよね。ほんのちょっとした選択、目線だったり。
今日、奥様に大人気の演歌歌手にお会いしたんですが、大物なのに、挨拶の時はちゃんと一人一人と目を合わせて挨拶するんですよ。余裕がなくも、どんな立場の人でもぞんざいにしない。
男性にも女性にもそういう人がモテるのかなと。中村さんの場合は目上の人にもサボってるよね(笑)
中村:うん、だから、自分に正直に生きたらモテない!と思う。整形とかね、整形したって言っちゃうとモテない(笑)
隠す秘密は隠さないとねえ。秘密って色気の一つの要素だよね。
私たちって開けっぴろげだからねえ。昨夜、コロッケ食って寝たよ、とかいうからモテないんだよ。
「秘密♡」とか言わないと!
きっと、モヤモヤさせた方ががモテる。
『ローズの秘密の頁(ページ)』公開直前イベント
日時:1月29日(水) 上映前 登壇 18:20—18:40
会場:神楽座 (千代田区富士見2丁目13−12 KADOKAWA富士見ビル)
登壇者: 中村うさぎ、倉田真由美
『ローズの秘密の頁』予告編
『ローズの秘密の頁』ポスター
半世紀に渡って封印されてきた彼女の過去が、今、1冊の聖書によって紐解かれる―。
アイルランド西部にある聖マラキ精神病院。取り壊しが決まり、転院する患者たちの再診のために病院を訪れた精神科医のスティーヴン・グリーン(エリック・バナ)は、赤ん坊殺しの罪で“精神障害犯罪者”として40年もの間収容されている老女ローズ・F・クリア(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)を看ることになる。赤ん坊殺しの罪を否認し続け、自分の名を「ローズ・マクナリティ」と訴え続ける彼女の様子が、一般的な患者と異なることに気付いたグリーン医師は、ローズが大切にしている1冊の聖書の存在を知り、彼女の過去に興味を持ちはじめる。
ローズは何十年にもわたって、聖書のなかに秘かに日記を書き綴っていたのだ。
そして、彼女は日記を辿りながら半世紀前の記憶を遡り、自分の人生を語り始める―。
ジャック・レイナー『シング・ストリート 未来へのうた』、テオ・ジェームズ『ダイバージェント』
監督・脚本:ジム・シェリダン『マイ・レフトフット』『父の祈りを』
原作:セバスチャン・バリー「The Secret Scripture」
アイルランド2016/スコープサイズ/DCP/108分/
カラー/英語/字幕翻訳:稲田嵯裕里
原題『The Secret Scripture』
提供・配給:彩プロ
『ローズの秘密の頁(ぺージ)』オフィシャルサイト
© 2016 Secret Films Limited『ローズの秘密の頁(ぺージ)』
2018年2月3日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵館、YEBISU GARDEN CINEMA 他全国ロードショー