『ともしび』
2019年2月2日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
ヴェネチア国際映画祭でその演技が絶賛を浴び、主演女優賞を受賞。
第69回ベルリン国際映画祭でも長年の映画業界への功績を讃える“名誉金熊賞”が贈られることが発表されるなど、『さざなみ』『まぼろし』につづき、年輪を重ねるにつれ、未踏の美しきオーラを放つシャーロット・ランプリング主演・渾身の感動作が『ともしび』として、シネスイッチ銀座ほかにて全国公開決定です。
人生の終盤、さまざまな業を背負ったひとりの女性が、もう一度“生きなおし”を図るまでの、哀しみと決意を追う人生最後のドラマが、ミステリー小説のごとく描かれている本作。
「主人公アンナを思いついた時からシャーロット以外の配役は考えられず、まさに彼女を脚本の当て書きにした作品」とアンドレア・パラオロ監督が語り、シャーロットが監督のオファーを快諾してから約2年半。
2人の間でのコラボレートの末に生み出された“アンナ”への徹底した人物描写をもとに、絶望の淵から新たな光を見つけるまでの、壮絶な一人の女の生き様を演じきったシャーロットへ各界から絶賛コメントが到着しております。
【各界からのコメント】
この寡黙な映画はシャーロット・ランプリングを見つめるだけでいい
想像を掻きたてられ絶望を体験する老成したひとりの女の葛藤を⽬撃するだけでいい
■夏木マリ
冒頭から度肝を抜かれた。
まるでそれは、老いや孤独の恐怖にかられ、心の奥底で人知れずあげるわたし自身の悲鳴に聞こえたからだ。
しかし映画はすぐに静謐な日常に切り替わる。そこから先は、シャーロット・ランプリングに釘付けだ。
皺深い喉、ごつくなった手、それでもきれいな脛と若々しい歩幅、薄い唇、ゆるんだ背中、なのにまろやかな丸い乳房。
老いを存分に晒しながらも、女としての色香は消えていない。
演技を超えた演技。
72歳の実人生の重さと美しさ、そして覚悟に打たれ、あと何回か繰り返し観なければ、と思った。
■光野桃(エッセイスト)
孤独を覚悟した女のなんと毅然として美しいことか。
新しい自分になるために長い階段をまっすぐ降りていく。
■下重暁子(作家/『極上の孤独』)
これほどまでに静かで、かつ恐ろしい映画は観たことがない。
百、千の言葉よりも主人公の沈黙が恐ろしいのだ。
何日でも何日でも、彼女の人生を考え続けないわけにいかなくなる。
■乃南アサ(作家)
妻とは何なのか。悲嘆の感情が支配する映画だが、絶望には終わらない。
彼女の心の底にいるのは『人形の家』のノラだ。
■篠田節子(作家)
どれほど安易なわかり易い物語に塗れていたか、思い知らされた。
寡黙とは思索を促すもの。これほど刺激的な映画は久々だ
■あさのあつこ(作家)
主人公の細かい心の葛藤が痛いほど心に刺さる、
大女優ランプリングでなければ成立し得なかった作品
■菊間千乃(弁護士)
昔、老人たちは一様に不機嫌に見えた。今、老人として鏡の前にいる。
その鏡には想いも記憶も映っていない。
■斎藤学(精神科医)
老いゆく肉体、澱のたまった心、ままならぬ人生。
一切の説明はないが、カメラの前に偽りのない自身を差し出して女優の真価を見せるシャーロット・ランプリング。
彼女が演じるのならば見てみたい、と思わせる名優。
■石川三千花(イラストレーター)
脚本:アンドレア・パラオロ、オーランド・ティラド
製作:アンドレア・ストゥコビッツ, ジョン・エンゲル, クレマン・デュヴァイン
音楽:ミケリーノ・ビシェリャ
撮影:チェイス・アーヴィン
出演
シャーロット・ランプリング(『さざなみ』『まぼろし』『愛の嵐』)
アンドレ・ウィルム(『ル・アーヴルの靴みがき』『ラヴィ・ド・ボエーム』)
2017 年/フランス=イタリア=ベルギー/フランス語・英語/カラー/4K スコープ/5.1ch/93 分/
原題:Hannah
配給:彩プロ
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