テアトル新宿で2016年8月20日~9月2日開催の大蔵映画ピンク作品の特集上映「OP PICTURES+フェス」。
成人映画館向けに製作された作品をドラマシーンを充実したR-15設定に再編集し、9作品が上映されました。
その中より『ボインのお宿 熟女大宴会!』出演の深澤幸太さん、脚本の深澤浩子さんにインタビュー。
名前を見ておや?っとなった方もいらっしゃるかと思いますが、実はお2人はご夫婦。今回、成人向け作品に携わったのが”初”ということで、上映当日に色々とお聞きしました。
1973年11月24日生まれ
1994年、月蝕歌劇団から演劇活動をスタートしその後、演劇レーベルBö-tanzに入団
並行して演劇サロン「B-TM」を立ち上げる等勢力的に活動するも、2003年演劇活動を一時休止。2008年より再開。2013年以降、映像作品を中心に活動を続ける主な出演作品
【OV】『ぞくり。怪談夜話 呪われた八編』『ぞくり。怪談夜話 七人の呪われた少女たち』
【ピンク映画】『聖なるボイン もみもみ懺悔室』 他
大阪府出身。日本シナリオ作家協会シナリオ講座57期修了。2015年デビュー。主な作品
【OV】『悪夢の椅子』『東京地下女子刑務所』シリーズ 『38days』 『39days』
【ピンク映画】『ボインのお宿 熟女大宴会!』『巨乳OLと美乳人妻~北へ向かう女たち~』『聖なるボイン もみもみ懺悔室』他
――テアトル新宿での上映おめでとうございます。率直な感想をお聞かせください。
深澤幸太さん(以下、幸太さん)
素直にうれしいです!
普段オークラ劇場(※上野オークラ劇場/成人向け映画館)に足を運ばない方に見ていただける機会があるというのは、すごく良いことだと思っています。
間口を広く、敷居を低くして観ていただける機会の一本に混ぜていただいているのはすごく嬉しいです。
(OP PICTURES 作品は)面白い作品がいっぱいあって一般作に引けをとらないので、ここだけでやっているのはもったいないですね。
深澤浩子さん(以下、浩子さん)
すごく嬉しいです!
舞い上がってしまって…。ここに連れて来てくださった加藤監督に感謝しています。
思い入れがあって作っている作品なので、できるだけたくさんの人に出会えるチャンスがあるほうが作品として幸せだなと。
特に女性の方は、オークラ劇場さんに足を運ぶのは敷居が高いと思う方が、「ココでやっているのなら」という感じで来ていただけるのは、ものすごく嬉しいです。
自分の性別が女なので、書くものについては同性に見てもらいたいという欲求があるものですから、女性に見てもらえるのは嬉しいですね。
これが映画作品の脚本のデビュー作なので、皆さんに感謝しています。
――上野オークラ劇場とテアトル新宿での上映。比較して感想はいかがでしょう?
幸太さん お客さんが映画を見に来ているという空気感を感じますね。上野は良くも悪くもニギヤカじゃないですか(…と、意味深な笑い)。
浩子さん 最初にオークラ劇場での上映も感動したんですが 友人知人が私が書いたものだから見たいんだけど「行きにくい」という声がけっこう多かったので…。
今日は、大阪から姉が「それなら観られる!」と来てくれました。姉は「ここはオダギリジョーも(作品の上映)やるやん!」と、すごく喜んでくれました。
――『ボインのお宿 熟女大宴会!』というタイトルはどなたが決めたんですか?
浩子さん オークラさんでの会議で決まったらしいです。
もともとの企画段階では「旅館浜やの三姉妹」という名前でした。勝手にピンク映画のタイトルはハードなものを想像していたので、「グショ濡れ」「肉ひだ」みたいなものを想像していました。
「ボインのお宿」は、けっこうホンワカしていて(笑)ちょっとなんだか嬉しくなってしまったほどのお気に入りのタイトルなんです。
――どんなきっかけで本作の脚本を書くことになったんですか?
浩子さん (本作編集の)有馬潜さんに加藤監督を紹介していただきました。
当初は、別の作品のプロットを見ていただいたんですが、それ自体は都合がつかずボツだったんです。
最初の企画はお笑い芸人ものだったんですけど、お笑いとエロスの融合は難しいというか(笑)
その後、加藤監督から「じゃあ旅館ものはどう?」ということを言われて決まりました。
「旅館みんなでいこうよ!地方とか行って撮りたいんや」割りとそんなノリで(笑)
”姉妹モノ”も加藤監督からの案で。私も姉が3人いて、加藤監督もお姉さんが3人いらっしゃって、共通の感覚として盛り上がったので取り入れることになりました。
――脚本を書く上で、苦労したことはありましたか?
浩子さん 書いていて作品の”尺”が長くなりすぎるたちで、”70分という尺”が身についていなかったんです。
トリプルヒロインなので、それぞれの物語を入れたいという強い思いがあって…。
お色気サービスも入れなくてはならないこともあって、時間内におさめるのが大変でした。
――エッチなシーンの表現はどう書かれたんでしょう?
浩子さん 加藤監督からは、「あまり詳しく書かれても、どうせその通りに撮れないから書かなくて良いです」と最初に言われました。
脚本だけみると、”こういうモチベーションで愛し合ってください”とか、”どちらかが激しく”とか書いたんですが、あまり(細かい描写)は書かなかったんですよ。
これまでのビデオ作品のでは、監督から画作りをして欲しいといわれて逆に書いて欲しいということだったので、拍子抜けしちゃいました。
映画 『ボインのお宿 熟女大宴会!』
【STAFF】監督:加藤義一、脚本:深澤浩子、撮影監督:創優和、録音:小林徹哉、編集:有馬潜
【CAST】 加山なつこ 伊織涼子 折原ゆかり
柳東史 津田篤 深澤幸太
【SPEC】2016/日本/70分/R15+
配給:オーピー映画
――撮影現場のエピソードを教えてください
幸太さん 撮影は、群馬の嬬恋村の鹿沢温泉で11月20日から3日間でした。
最寄駅から車でウン時間の場所で、寒かった…。
凍結防止で水道をチョロチョロださなければいけないほどで、「暖房止めたら死にます」と言われました(笑)
――そんなに寒かったんですね!では、笑っちゃうようなことはありましたか?
浩子さん (幸太さんの登場場面は)運転するシーンを書いたんですけど、ペーパードライバーで(笑)
幸太さん 20年間で10回位しか運転したことが無くて…。2回こすってます。
20mほど前に車を出すだけなんですけど、乗ったところでブレーキとアクセルがどっちがどっちだかわからない(笑)。
助監督の方に代わってもらおうとしたんですが、身体が大きすぎて監督から「似つかないよ」と。脂汗かきながら、なんとか運転しました(笑)
――事故にならなくて良かったですね(笑)撮影現場で良かった思い出はありますか?
幸太さん 自分の出ているシーンがアイドル映画みたいな構図になっていて…。
ビールケースに主演の加山さんと背中合わせになって座って、今この瞬間、俺マッチ(近藤真彦)だ!ってスゴイドキドキしちゃいました。これ撮ってもらっただけで田舎帰れるレベルだなと(笑)
――ピンク映画ということで、出演することに抵抗はなかったですか?
幸太さん 抵抗が無いと言えばウソになるんですけど…。
もともとピンク映画は熱心に見るほうじゃなかったんですが、名画座とかでリバイバル上映などで、学生時代含め観てました。
役者の仕事ということを考え始めたときに、今唯一のプログラムピクチャーということで年間何本というかたちで上映しているのはここ(OP作品)だけなんですよ。
そういう現場にいってみたいという感覚があって…。鍛えられそうじゃないですか役者として。なので、撮影現場としての「ピンク映画」に憧れがありました。
(取材・2016年9月1日/新宿テアトル)
「地下室の美女が語る恐怖の都市伝説」 7月29日リリース
「総合診療医 ドクターG」 9月21日放送予定
深澤浩子 脚本作品
「ホームジャック」 9月2日リリース
「東京地下女子刑務所chapter3エリア0」10月5日リリース
「東京地下女子刑務所chapter4エリア∞」 11月2日リリース
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